Ubuntu Netbook Remix 9.04のインストール - GMA500のドライバの導入(完全編)
ネットブックにUbuntuをインストールする際、最も障害となるのはUS15Wチップセット(コードネームPoulsbo)に搭載されるGMA500というグラフィック機能です。
Intelがドライバを提供しないためUbuntuではしばらくの間、解像度を上げる程度しかできませんでした。
(Windowsの純正ドライバがようやく良くなってきたので、Intelのサポートもこれから改善されるかもしれません)
しかし最近になって有志によるUbuntu9.04用ドライバの整備が行われたため、TypePでも動画再生に十分なパフォーマンスを発揮できるようになりました。
ただ、グラフィック機能の全てを有功にしようとすると、ライセンスがグレーなドライバを使わないといけません。
一部の機能を捨てることでそれらのドライバを使わなくて済みそうなのですが、まだテスト中ですので、まずは完全に動作させた手段を紹介します。
正規手段を望む方は、しばらくお待ちください。
(2009/12/23追記)
動画再生まで行おうとすると、今のところどうしても怪しいドライバが必要なようです。
諦めました・・・
DRIドライバの入手 |
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最初にGMA500用のDRIドライバを用意します。
DELLが作ったドライバとも、Midinuxに入っているとも言われているのですが、情報が古いのかオリジナルは見つけられませんでした。
そのためアップローダ等にあるものを使わないといけないのですが、ライセンスについて明確にされていないため、使ってよいものか悪いものかも判断できません。
それでも構わないという方のみ、入手してください。
無くてもサスペンドからの復帰時にフリーズするくらいしか、実害はなさそうです(なぜか動くんですよね・・・)。
対象のファイルは msvdx_fw.bin と Xpsb.so です。
いつまで使えるかわかりませんが、下記アップローダからダウンロードできました。
http://e.imagehost.org/download/0532/Xpsb
http://e.imagehost.org/download/0820/msvdx_fw
ダウンロードしたらホームフォルダにでも入れておき、端末から下記のコマンドで導入します。
sudo cp msvdx_fw.bin /lib/firmware/2.6.28-16-generic |
sudo cp Xpsb.so /usr/lib/xorg/modules |
※フォルダ名はカーネルのバージョンに合わせてください。
ドライバのインストール |
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端末から以下のコマンドを実行し、オープンソースのドライバを導入します。
sudo sh -c "echo 'deb http://ppa.launchpad.net/ubuntu-mobile/ppa/ubuntu jaunty main' >> /etc/apt/sources.list" |
sudo sh -c "echo 'deb-src http://ppa.launchpad.net/ubuntu-mobile/ppa/ubuntu jaunty main' >> /etc/apt/sources.list" |
sudo apt-key adv --keyserver keyserver.ubuntu.com --recv-keys C6598A30 |
sudo apt-get update |
sudo apt-get install poulsbo-driver-2d poulsbo-driver-3d psb-modules xserver-xorg-video-psb |
sudo apt-get install psb-kernel-headers psb-kernel-source |
設定の変更 |
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端末から次のコマンドで、カーネルが余計なドライバを読み込まないように設定ファイルへ記述します。
sudo gedit /etc/modprobe.d/blacklist.conf |
ファイルが開いたら最後に2行追加してください。
※後者はフリーズ対策らしいのですが、効果や影響は未確認です。
blacklist i915 |
blacklist sonypi |
保存したら端末に戻って、起動カーネルに適用するコマンドを実行します。
sudo update-initramfs -u |
次にGMA500ドライバを使用するように設定します。
まず、念のために設定ファイルのバックアップを取っておいてください。
もしウィンドウマネージャが動かないようなことがあれば、コンソールログイン後にファイル名を逆にして設定ファイルを戻してください。
sudo cp /etc/X11/xorg.conf /etc/X11/xorg.conf.bak |
その後、設定ファイルを開きます。
sudo gedit /etc/X11/xorg.conf |
最初は基本的な設定しかされていませんので、Deviceセクションを下記のように書き換えてください。
また、ドライバの動作権限を設定するセクションも追加します。
Section "Device" |
Identifier "GMA500" |
Option "AccelMethod" "EXA" |
Option "DRI" "on" |
Option "MigrationHeuristic" "greedy" |
Option "IgnoreACPI" "yes" |
Driver "psb" |
EndSection |
Section "DRI" |
Mode 0666 |
EndSection |
最後にCompizという、デスクトップの演出も使えるようにします。
(YouTubeでCompizと検索すると、グラボが高性能ならここまで・・という動画が見れます)
また端末から設定ファイルを開いてください。
sudo gedit /usr/bin/compiz |
設定ファイルの中に下記の行があるので、探してpsbという文字を加えてください。
WHITELIST="nvidia intel ati radeon i810 fglrx" |
WHITELIST="psb nvidia intel ati radeon i810 fglrx" |
これで再起動すれば、解像度が高くなっているはずです。
ドライバの動作確認 |
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動画を再生するにはまだ準備が必要なので、CompizでLinuxならではのデスクトップ効果を見てみることにします。
「システム」の「設定」から「外観の設定」を開いてください。
「視覚効果」のタブから「追加効果」を選択すると、ドライバが読み込まれて3Dデスクトップが利用可能になります。
ウィンドウを移動させてぷるぷるさせたり、Win+Tabで3D化してみてください。
一見の価値ありです!
また、最初は使いものにならなかったUbuntu Netbookデスクトップも、本来の動作ができるようになっています。
リソースを食うのであまりお奨めできませんが、余力があるようなら使ってみても良いかもしれません。
ただしCompizと相性が良くないようなので、デスクトップモードを変更する前に「視覚効果」は「効果なし」にしておいてください。
本当はNetWalkerのタッチパネルでこれを使いたかったのですが、あちらの方が遥にスペックが低いので、残念ながら実用性はなさそうです。
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